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魔法陣使い#04

弟04話「旋風(前編)」

宇宙に浮かぶ円盤都市コズモス。
ここに住む女の子たちの物語。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

この頃は、朝起きで真っ先にニュースのサイトをチェックするのを習慣にしている。

『Nブロック』という地域のカテゴリに最近のバグズの引き起こした事件が小さく扱われている。

個人投稿サイトほどの速報性はないけど、大体のことが分かる。

バグズの話題探しは大家さんに任せて放課後いつも通り大図書館にある『魔法陣』についての資料を探すことにした。

「うーん、見つからないなー」
「結構古い資料もありますのに」
「やっぱり立ち入り禁止区画に行かないとだめなのかなー」

立ち入り禁止禁止区画とは、歴史的に価値の高い書籍などを収めた書架のある区域のことで、出入りは厳重に制限され、大図書館の創設者であるフューリー財団の関係者しか入れないそうだ。

今の私たちにはレベルが高すぎる…

「今日はこの書架だけでも探してみましょう」
「うん」
その時、私の端末の着信音が鳴った。
「あ、セイラごめん!急用が出来ちゃった!」
「メグミ先輩ー!」
チョットだけ悪い!と思いながら大図書館を後にした。

急いで端末の受信ボタンを押した。
「ミッドノールさん、どうしましたか?」
「出たよ!メグミちゃん!まだはっきり分かんないけど、バグズだと思う!」

バグズが出たのは駅前の商店街。
つむじ風が暴れているという。

大家さんから転送された動画で確認した。
見慣れた商店街の風景にピントが合わずモヤモヤしてるモノが写ってる。
なるほどバグズだ。

「商店街ならここからすぐです!直接、バグズのところに向かいます!」
「分かった!気を付けて!」

走りながら商店街に通じる道を走る。

「いた!」
バグズだ。
映像とは違いはっきりとしたつむじ風の形をしたものが自分の意思を持っているかように商店街の中を暴れ回っている。

私はすぐに近くの路地裏に入り魔法陣をサーキットリーダーにセットした。

「魔法陣(サーキット)自動詠唱(ロード)!」

魔法少女の姿になって『つむじ風』のバグズのところに行き、この間と同じように『麻痺』と『捕縛』の魔法陣をロードした。

『捕縛』の魔法がバグズへと伸びる。
「あ!」
バグズの方が一瞬早く『捕縛』から逃れてしまった。
「速い!」
慌てて走って追いかけるがあと一歩のところで捕まえることができない。

つむじ風を追いかけて商店街を駆け巡る魔法少女。ちょっとシュール。

…なんてそんな事は言ってられない。
追いかけながら『麻痺』や『捕縛』を使いながら何とか路地裏に追い詰めた。

ここでもう一度、
『捕縛(キャプチャー)!!』
今度こそ!…あ、あ、逃げられた!

空高く逃げられてしまった。
もうどこに行ったかも分からない。

後に残るのはバグズに逃げられて脱力している魔法少女が一人…。

「完敗…」
その日は帰って屋根裏部屋の大家さんのところにちょこっと顔を出しただけでそのまま自分の部屋に戻って眠ってしまった。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

真っ暗な世界。ここはどこ?
遠くからビュウビュウという音と共に何が近づいてくる。あ、『つむじ風』!

慌てて近寄ると、どんどん高く飛んでゆく。自分は何もできないどころか足が地面に埋まってゆく。
抜けない、動けない。
ああ、『つむじ風』が見えないところまで離れてゆく追いつかない。
…目が覚めた。

夢を見ていたみたいなんだけど、どんな夢だったかよく覚えてない。
後味の悪さだけが残ってる。

なんて目覚めの悪い朝。
目覚まし代わりの端末にセイラからのメールが届いていた。後で謝っとかないと。

気分以外はいつもの学校。
最悪のテンションで机に突っ伏していたら、私の気持ちを知ってか知らずかランとコシカが話しかけてきた。

「おっはよーっメグーっ!聞いた?昨日の駅前商店街のオバケ騒ぎ!」
「また魔法少女が現れたんですって!」

早速昨日のバグズの話をしてきた。

「つむじ風みたいのがそこら中、暴れ回ったってやつでしょ?」
「そうそう、この間のふわふわ浮いてるんじゃなくて、つむじ風だもんね、迷惑度もアップだよ!」
ラン、なんか嬉しそう。

「でも折角あの魔法少女も来てくれたのにオバケには逃げられたみたいで…」
コシカはちょっと残念そう。

「最近になって急に変な事、起きるようになったよね、なんか隣のブロックでも出たらしいよ」

え?そんなの私聞いてない!
「ラン!隣のブロックってどこっ?!」
予想外の情報に思わずランに前のめりになって聞いてしまった。
「あ、あ、えーと、確かOブロックの中央公園…だったかな?そこにいたみんなの体が急に重くなったんだって」
『重力』…のバグズ?

「それでどうなったの?」
「立てなくなるくらい体が重くなったんだけど、ちょっとしたら元に戻ったんだって」

「人知れず魔法少女が助けてくれたのでしょうか?」
相変わらずコシカは魔法少女推しだ。

いや、私は知らない。
でもバグズといい、似たような事が他でも起きているという事なのだろうか。

一応、後で大家さんに連絡しておこう。

その後、特にいいアイデアも思いつかないまま、放課後になってしまった。

今日はセイラの習い事の日で部活は休み。
さて帰ろうかなと思っていた時、ランとコシカが話しかけてきた。

「ねえ、今日は部活休みなんでしょ?帰りちょっとだけ遊んでかない?」

「んーまあいいけど」
たまには帰宅部の活動に参加するのも気分転換にはいいかも知れない。

二人に手を引っ張られてやってきたのは昨日の駅前の商店街。いきなりテンションダウン↓。
「この辺この辺、昨日の騒ぎの場所!」
えー、まさかこれを見に来たんじゃ…
「心配していたよりも被害が少なかったようで何よりです」
本当だ。
でも昨日はもっと目茶苦茶になってたハズだけど、一日でここまで戻ったのかな。
すごい。

「ここ、ここ!」
お、ここは…
『総合遊興施設』

「そ、たまには体動かして遊ぼうよ!」
ここにあるのは何となく知ってたけどぼっち体質の自分には縁がない場所だと思ってた。
「あたしたちも滅多に来ないんだけどね」
「たまにはいいかなって」
「うん、ありがと!」
「それで何して遊ぼっか?」
「メグちゃん、どうする?」
「うーんと」
店のディスプレイには、室内スポーツやゲーム、体験型アトラクションなどが並んでいる。
…お?
「低重力ルーム?」
「面白いの選ぶじゃん」
「これにする?」
「うん」

『低重力ルーム』
ここはゲームではなく施設を提供している。
天井・床・壁全部柔らかい材質で出来ていて低重力の中で暴れまわってもケガしないようになっている。
頭と首を守るための簡単なブロテクターを華係りの人に渡されて部屋の中に入る。

「プロテクターっていうから何かと思ったら結構すっきりしてるじゃん」

初めての事でちょっと浮ついた感じでブロテクターを装着する。
コシカは長い髪の毛のせいで装着に手間取っていたけど、ランが手伝ったおかげで何とかなった。

全員のブロテクターの着用が確認されるとモニターにOKサインが点灯した。

わくわくドキドキしながら起動!
足元から頭にかけて体中からスーッと重さが抜けていくのを感じる。
モニターの表示が1.0Gから0.9、0.8、0.7と減ってゆき0.6Gのところで止まった。

「ねえ、0.6って中途半端じゃない?」
「主星ソラの衛星の重力なんですって」
「へぇー」
大して興味も無かったけど、その情報に対して素直に感心した。
「二人とも!そんなこ・と・よ・り、やぁーっ!」
「おぉ」
「まぁ」

ランが力いっぱいジャンプした。
自分の背を軽く超えるくらいの高さだ。
「ねぇ見て見てあたしすごーいっ!」

「よぉーしっ!私も!」
ランのマネをして自分も思いっきり飛び上がってみた。
「おぉ!」
なるほど、これは楽しい!
ちょっと飛び上がっただけでいつもと違う風景が見えてくる!
「!」
あれ?これ、ひょっとして…
「ねぇ、これもうちょっと重力下げること出来る?」
コンソールの近くにいたコシカに聞いてみた。
「え?あ、はい、えーっと少しだけなら操作出来そうです」
「それじゃ下げられるだけ下げて!」
「気を付けて下さいねー」
『0.3』
ぐっと体が軽くなる。
ほとんど無重力みたいなものだけど少しだけ床の方向に重さを感じる。

「それっ!」

壁の方向にジャンプ!
壁まで着たら反対方向にジャンプ!
もう一回!
「おぉ!チャレンジャーだねーメグーその遊び面白ーい!!」

体が軽く大きくジャンプできる代わりにバランス取るのが激ムズ…でもこれなら何とかなりそう!

あとちょっと、あとちょっと!
何かつかめたかも!

しばらくして。
「メグー、そろそろ終わりの時間だよー」
「あーゴメーン、今降りるー」
時間の経つのを忘れて熱中してしまった。

「ゴメンね、二人とも」
ランとコシカに頭を下げる。
「せっかく誘ってくれたのに、ほとんど一人だけで遊んじゃって」
「いいよそんなこと、メグが気分転換できたみたいで良かったよ」
「うん」

なんてありがたい言葉。友情に感謝!

「それより大丈夫ですか?」
「え、何が?」
「これから1.0Gに戻すけど」

あれ?
よく考えたらランとコシカは途中から退避区画(常時1.0G)でずっとくつろいでたような気が、

「あ、ちょっと待っ…」
そんな私の切実な願いもむなしく無情にも0.3Gの世界から一気に1.0Gが支配する現実に引き戻されたのであった。

「前言撤回〜!鬼〜!!」

(第04話終)
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