スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

魔法陣使い#13

第13話「影法師(後編)」

「何をいきなり、ここまできたら信用するしかないだろう」
「『対魔法銃(ミスリルガン)を貸して下さい!」
「魔法陣使いがミスリルガンとか…いいだろ!弾数が残り僅かだから大事に使えよ!」
「ありがとうございます!」
ノノンさんから対魔法銃を借りて『障壁(ブロック)』から出る。

「なにをする気だ?」
後ろからゴーグルの人の心配する声。

「多分大丈夫ですからー!」
わたしのやることは決まってる。
ちょっと怖いけどなんとかなるはず。

「ミツケタミツケタ」
ガレキの攻撃が止まり、バグズはわたしに向かってきた。
「やっぱりわたしがねらいなんだ」

まずはゴーグルの人からなるべく引き離さないと。

「わたしはこっちだよ!」
バグズが伸ばす手に掴まれないようにゆっくりと高台公園の坂の上に誘い込む。

坂の上にある記念塔まで来た。
振り向いてバグズを待つ。
「ミツケタ、ミツケタ」と言いながら近づいてくる。攻撃はしてこない。
やっぱりわたしをコピーしたがってるんだ。

「魔法陣使い!」
ゴーグルの人が遠くで心配してくれてる。
ケガはないみたいだ。良かった。

「ミツケタ、ミツケタ」
どんどんこっちに来る!

どうする、どうする?
まだ、迷ってる…でも、

「やあーっ!」
思い切ってバグズに向かって飛び込んだ!
ふわっともヌメっともつかない感じで、バグズの中に入った。

無重力…じゃないけど足は地についてない。

コピーされたいろんなものの気配みたいなものが自分のまわりをぐるぐるしてる。

じっとしてると、少しずつボゥっと光ってる所に流されていく。

その光をじっと見てみる。
「あ!魔法陣!」
多分『複製(コピー)』だ。

ゴーグルの人から借りた『対魔法銃(ミスリルガン)』を構える。

カチリッ
『発動(シュート)!!!』

目の前がパーッと明るくなった。

目の前の魔法陣にはたくさんの『聖銀(ミスリル)』降り注いでいる。

「オ、オ、オ…」
わたしの形をした何かのうめき声。

ちょっとずつ魔法陣はその力を無くし、取り込まれていたたくさんのコピーされていた力が開放され、記念塔をバックに高く舞い上がっていった。

後に残ったのは『複製(コピー)』の魔法陣だけ。

「終わった、のかな?」
「おぉぉーいっ!」
遠くから聞こえるゴーグルの人の声。
あ、ゴーグル外してる。

「やったな…って、な?!」
ゴーグルの人が驚いてる。
なんで?

あれ?ゴーグルの人。
銀髪→金髪?蒼眼?
これって…
「ノノンさん?!」「メグミ?!」

二人とも顔を見合わせたまま、頭の中でぐるぐる駆け巡っている情報から何とか答えを探し出そうとした。

そんな時、
「メグせんぱーい!」
セイラの声が聞こえた。

「セイラ!」
車両が切り離されたあと、列車を降りて後を追ってきてくれたらしい。

「メグ先輩!無事でしてたか…え!あの、ノノンさん?!」
わたしとだいたい同じリアクションだ。

結局、わたしは『対魔法銃(ミスリルガン)』
の力で魔法が解け、ノノンさんの髪は『聖銀
(ミスリル)』のコーティングが解けたんで元の金髪に戻ったということみたいだった。

あ、忘れてた。
「『コピー(複製)』の魔法陣、回収!」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

『複製(コピー)』バグズ騒ぎから1か月、それなりに平和な日常を送ってる。

セイラは相変わらず毎日わたしに抱き着いてくる。

「私も『変身』してメグ先輩みたいになりたいですぅー!」と無茶な願望を持つようになったけど夢見るだけはタダなのでまぁいいか。

ノノンさんは、「辞める理由がない」からと、そのままわたしたちの部に毎日必ず顔を出してくれている。

立入禁止区域の秘蔵の資料集を持ってきてくれたり、魔法道具の整備をしてくれたり相変わらず忙しい日々を送ってるのに律儀な人だ。

わたしはというと…

リン!
大家さんから連絡だ。
実はまだバグズを全部回収していないのだ。

「バグズはどこですか?」
「悪いねメグミちゃん、Fブロックのバイオプラントまで急行してくれ!」
「分かりました!」

カバンからサーキットリーダーを取り出し『変身』の魔法陣を『自動詠唱(ロード)』!

スラスター全開でFブロックにGO!

平和だけど、ちょっとだけ刺激的な生活は
まだまだ続きそうだ。

(第13話終)
スポンサーサイト

魔法陣使い#12

第12話「影法師(中編)」

宇宙に浮かぶ円盤都市コズモス。
ここに住む女の子たちの物語。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「おい!魔法陣使い!」
「え、あ、はい!」
わ!ゴーグルの人だ!
「ちょっと車両の先頭で避難してろ!」
え、避難って…何か分からないけどヤバそ!
わたしは急いで列車の前側に向かった。
ガコンッ
軽く揺れたかと思うと連結部分から向こうが外れてどんどん小さくなっていった。
「ようし、これで多少手荒いことをしても問題ないぞ」
いや、問題だらけですよ!
この人、これから何するつもり?
「魔法陣使い!バグズの真上の天井に
穴を開けられるか?」
「あぁ、はい!」
サーキットリーダーに『扉(ゲート)』をセット。
『魔法陣(サーキット)自動詠唱(ロード)』!!
「ありがと!」
ゴーグルの人はそう言うといつものより大きめの機械を構えた。

「離れてろ!」
やっぱりヤバい雰囲気。
慌てて車両のはじっこに逃げた。

次の瞬間、ゴーグルの人の構えた機械がまぶしく光ってバグズを包みこんだ。

バグズの体にキラキラと光る小さな破片が降りかかってる。

「あ、効いてる!」

最初は暴れていたけど、そのうちバグズは小さくなって最後には魔法陣に戻ってしまった。

これが『聖銀(ミスリル)』の力?
「どうやら上手くいったようだな」
ゴーグルの人がバギーを降りて中に入ってきた。

魔法陣を拾い上げてその能力を確認した。
「『走査(スキャン)』と『送信(センド)』か」

このバグズが人を自分の体を取り込んでたのって『走査(スキャン)』してたのか。

そして『送信』ってことは…

「このバグズを操ってた魔法陣使いは別の場所にいるようだな」

ゴトン。

「停まった?」
「ここは…?」
ホームのディスプレイには『建立記念公園前』と表示されている。

「どうやらここにバグズの魔法陣使いがいるようだな」

『建立記念公園』。
この大型宇宙船に街が作られたことを記念して作られた公園だ。
傾斜のある土地にあることから、高台公園と呼ばれている。

公園の真ん中辺りに人影?を見つけた。
「あの…」
「うん、アレがそれらしいな」
まだはっきりと姿は見えない。
「何をしてくるか分からない、
用心して近づくぞ」
「はい」
ゴーグルの人に言われた通り、右と左に分かれてバグズに近づく。

魔法陣を使うバグズ。
今までと違うってことだけで余計に緊張してしまう。

ゆっくり、少しずつ近づく。
バグズはまだ何もしてこない。
人影。
ちょっとひょろ長い。

公園のライトで影になって見えなかった姿が、少しずつ見えてきた。

あれ?私?
私の姿だ!?

あの髪型、あの顔、あの服。
ちょっとだけ背高のスレンダーボディ。
確かにわたしだ。

表情だけがわたしがした事のないような、何を考えてるのか分からない気持ちの悪い笑顔を浮かべてる。

なんで?なんで?

ひょっとして最初に魔法陣が暴走(原因はわたし…)した時にわたしとすれ違った影みたいなやつ???

自分の姿なのに鏡で見てる時とは違うヤな感じ。
どんどん不安な気分になってくる。

「ミツケタ、ミツケタ…」
私の顔したバグズがなんか言ってる。
ヒィ~!

「う?人間…なのか?!」
え、あれ?ゴーグルの人が思った以上にキョドってる。

「ゴーグルさん!」
「ゴーグル…?私のことか!私の名はー…まあいい、なんだ!」
「あれはバグズです!!」
「そう、なのか?」
「人の格好をマネしてるんです!」
「『複製(コピー)』のバグズか」
「多分!」
「多分って、大丈夫なのか?いくら私の武器が対バグズ用でも当たれば幾分怪我するぞ」
「大丈夫です!バグズってことだけは保証します!(本人がここだから)」
「魔法陣使いの勘か?まあいい、それなら遠慮なく一発入れておくぞ!」

ゴーグルの人がさっきの物騒な機械を『複製』バグズに構える。

パァーンッ!
辺りが明るくなって『聖銀(ミスリル)』がバグズの周りを包み込む。

ビュウッ!
!?

ゴーグルの人の機械から放たれた『聖銀(ミスリル)』が急に吹いた風に巻き込まれて辺りに散り散りになってしまった。

「風!」
「いやこれは魔法陣の効果だ!」

『疾風』?
この魔法陣は私がもっているハズ。
これも『複製(コピー)』ってこと?

「アナタハイラナイ…」
バグズの周りのガレキがフワフワと浮き上がった。

「あれは『浮遊』?」
今度は浮いていたガレキが『疾風』の流れに乗ってくるくる回転し始める。

ブンッ!
たくさんのガレキがゴーグルの人に向かって飛んでゆく!

「危ない!『障壁(ブロック)』!!」
慌てて魔法陣で壁を作る。

「大丈夫ですか?!」
「くっ魔法以外での攻撃とは!」
「魔法以外?」
「私の着ている対魔法用のスーツは、物理攻撃にはさっぱりなのだ!」
あれ?このタイミングでボケるって、意外に天然さん?

ブンッブンッ
そんなことも言ってられない。
次々にガレキが飛んでくる。
なんとかしないと!

攻撃が効かない。
悩んでる間にブロックが徐々に壊されてゆく。
「イラナイ、イラナイ」

「グゥッ」
ノノンさんにダメージ!
「大丈夫ですか?!」
「ゴーグルに当たっただけだ、大したことはない!」

このままではバグズに取り込まれてしまう…どうすれば?

『複製(コピー)』の目的は、オリジナルを正確にコピーすること。

最初にわたしをコピーした時、時間がなくて影しかコピーできなかった。

それで完璧になるため色んなものを自分に詰め込んでいたのかも?


「ゴーグルさん!」
「なんだ?」
「わたしを信用してくれますか?」

(第12話終)

魔法陣使い#11

第11話「影法師(前編)」

宇宙に浮かぶ円盤都市コズモス。
ここに住む女の子たちの物語。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「約束通り魔法陣に関する資料を探してきたぞ」
今日もノノンさんが一番乗りだった。
何となく機嫌が良さそう。

「上機嫌機嫌ですが何かありましたか?」
「いや、なんでもない」
やっぱり機嫌が良さそう。
この人、結構顔に出るなあ。

ノノンさんが持ってきた資料は、
300年くらい前のもので挿絵に何点か魔法陣も載っていた。

「あ、これは」
セイラが『ミスリル(聖銀)』についての記事を見つけた。

「へえー、『ミスリル(聖銀)って魔法の力を無効果しちゃうんだ」

ノノンさん、何か知らないかな?
部活動の報告書を読みふけっているノノンさんに声をかけた。
「ノノンさん」
「ん、何だ?」
「ノノンさんは『ミスリル(聖銀)』のこと知ってますか?」
「ミスリルね…昔は宗教的な装飾品の素材として使われていたらしいが」

「それって今でも手に入るものなんですか?」
「うーん…」
ノノンさんがちょっと面倒そうな顔をして言葉を詰まらせた。
「…お!時間だ、そろそら上がらせてもらうぞ!」
「あれ?待っ…帰っちゃった」

「忙しい方ですわね」
「うん、でもおかげでバグズの連絡も受けやすいよ」
「これからどんどんバグズタイムですものね」

「それにしてもミスリルって本当にあったんだ」
「魔法の力を無効化する金属だなんて、魔法少女の天敵ですわね」
「ゴーグルの人の持っていた機械もミスリルでできてるんだろうか」
「バグズや魔法の壁も消してしまったと言う
んですからその可能性は高いですわね」

「ゴーグルの人の目的って何なんだろ?」

「多分は魔法生物(バグズ)を退治する事なのでしょうね」

「わたしを襲ってみたり、魔法陣をくれてみたり」
この間、ゴーグルの人からもらった魔法陣
『疾風』『火炎』『氷塊』を見ながら考えてみた。

「メグ先輩を襲ったのも勘違いしていたのかも知れません」
「勘違い?」
「元はバグズは魔法陣から生まれたのですから魔法陣を操るメグ先輩は元凶と思われてしまっても仕方ありません」
「あーヒドイなー」
でもバグズが暴れ回ってる原因を作ったのは自分だから当たってるといえば当たってる。
「でもバグズを倒そうとしている姿を見て信用してくれたんですよね」
「多分(おとりにされたけど)…」
「それにしても今回のバグズは魔法陣を2枚持っていたのですね」
「うん、『氷塊』を『疾風』に乗せて飛
ばしてきてた」
「まるで誰かが意思を持って組み合わせたみたいですね」

「それってもしかして!」
「メグ先輩の他に魔法陣使いがいるという事でしょうか?」
「ゴーグルの人が探してるのは、その謎の魔法陣使いなのかも」

「とりあえず、これまで集めた情報をもう一度見直してみよ!」
「はい、ですの」
セイラが端末に今までに集めた資料を呼び出した。
「現場に謎の少女」「不思議な少女」「魔法少女?」「女の子…」
色んな呼び方で呼ばれてる。
「ゴーグルの女性」「銀髪の人物」「一撃で…」
ゴーグルの人のことも話題に上っていた。

「他の目撃情報は…と、あった!これだ!」

「謎の黒い人物」「怪人」「影人間」

わたしやゴーグルの人とは違ったの呼び方をされている人がまぎれていた!

バグズ騒ぎの他にも夕暮れ時に現れる怪人物として報告されている。

身体が透けてたとか目鼻が無くて口だけ笑ってたとか、もうホラーに近い…。

ちょっとだけシーンとなるセイラとわたし。

もうやめようか、と思いながら何となく「影人間」という言葉を見ているうちにぼんやりと思い出してきた。

「体が透けてる…影人間…あ」
一番最初、魔法陣が暴走し屋根裏部屋がたくさんのバグズで大パニックになった時に見た!
「もしかして影人間はあの時のバグズなのかも」
「という事はバグズ自身が魔法陣を使っているということでしょうか!」
「あの時、魔法陣も持ってかれちゃったってことかー」
「バグズの魔法陣使いがいたなんて…」
リンッ!
このタイミング、大家さんだ!
すぐに端末に出る。
「出たよ!今度は列車だ!」
「どんなバグズなんですか?」
「詳しい状況は分からないが、そのバグズに取り込まれると気を失ってしまうらしい」

何となく今までよりもヤな感じ…だけど、
「とにかく分かりました!」
魔法陣を取り出し『変身』!
サーキットリーダーをホウキに変えて飛び立とうとしたその時、セイラがわたしに話しかけてきた。
「待って下さい、わたくしも連れて行って下さい!」
「ダメだよセイラ、危ないよ!」
「わたくしが影人間を探し出します!」
なるほど。
「うん、分かった」
ホウキの後ろに乗るように合図する。
さすがにちょっと緊張しているみたい。
「わたしにしっかりしがみついていてね」
「はい!ですの!」
セイラがしがみついたことを確認してスラスターを全開にした。
やっばりちょっと怖いのか、セイラはいつもよりも強く抱きついている。

バグズが出た列車に向かった。
大家さんの話だと列車のコントロールが効かないらしく、何駅も止まらず通り過ぎているとのこと。
これは早いとこ止めなくっちゃ。

探知機を頼りに列車を探す。
いた!
探知機の針がその列車に引寄せられるように大きく振れている。

『扉(ゲート)』の魔法陣をロード。
列車の屋根に丸い穴が開く。

ホウキのスラスターを注意深く調整して列車の中へ。

突然列車の屋根に穴が開いてそこから魔法少女が降りてくるなんて、かなりシュールな光景なんだろうけど、バグズのせいでそれどころじゃないみたい。

いた!バグズだ!
バグズは逃げ遅れた人に近づいている。
止めなきゃ!

『氷塊(アイスキューブ)』!
『自動詠唱(ロード)』!!

魔法陣から生まれた氷の塊が次々とバグズにぶつかる。

ゆっくりとバグズがこっちを向いた。
ダメージは無いみたいけどこっちに気をひかせることができた!

「セイラ!今のうちにその人を避難させて!」
「はい、ですの!」

さて、これからどうしよう。
何のバグズだか分からないぞ。

氷じゃダメっぽいし、車内で使うのはちょっと危険だけど『火炎(ファイアボール)』!!
いくつもの火の玉がバグズの中に取り込まれてゆく。

氷も火もダメかー。

じゃあ「『麻痺(パラライズ)』!!」
ほんのちょっとだけどバグズの動きがにぶった。
効いた?
と思ってたらすぐに動き始めた。
一体どうしたらあのバグズにダメージを…「あ」
気がついたらいつの間にか追い詰められていた。
攻撃方法考えるので頭がいっぱいで忘れてた!
こんなところで〜!!!

もうダメ!と思ったその時だった。
「おい!魔法陣使い!!」
電車の外からその声は聞こえた。

(第11話終)

魔法陣使い#10

第10話「部活動」

宇宙に浮かぶ円盤都市コズモス。
ここに住む女の子たちの物語。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

次の日、ノノンさんは誰よりも早く部室に来ていた。

「遅かったな、さぁ部活動を始めよう」
私たちが何か言う間も無く、さっさと部室の端末を起動し始めた。

興味深そうに魔法陣の資料を読むノノンさん。
「ほぉ…魔法陣の読み取り機か、面白い」

「はい!今日はここまでなのですわ!」
セイラがすごい勢いでノノンを止めた。
「!!何?」
「ここから先は『ギブ・アンド・テイク』なのですわ!」

「ギブ?なるほど、代わりに私も情報の提供が必要というわけか」
「そのとおり!なのですわ!」

自分が考えてたよりずっと話が早く進んでる。でも?
「今日の私はギブするものを持ってきてないぞ、どうする?」
「はい!今日はノノンさんの事を詳しく教えて下さい!」
「詳しくって言っても、大体の事は調査済みなんだろ?」
「もっと詳しくです!好きな食べ物は?色は?普段どんな音楽を聴かれます?シャンプーとトリートメントはどちらを利用されているのですか…」

おぉう、出るわ出るわ。
セイラの質問の嵐が止まらない。
さすがのノノンさんもアワアワしてる。

…小一時間後、セイラの質問責めが終わった。

なかなか充実した時間だった。
その代わりノノンさんはぐったりしているけど。

「さあ、これから資料を見せてもらおうと思っていたが、時間がきてしまったので今日はここまでとさせてもらおう」
「あ、はい」
「次に来る時は立ち入り禁止区域にある魔法陣に関する資料を持ってこよう」
そう言うとノノンさんはさっさと部室を出て行ってしまった。

結構長くいてくれたなあ。
「あぁ楽しかったですの」
「セイラ、しゃべりすぎ」
「次はどんなお話をしましょうかー」
「そんなことしてたら仲良くなる前に逃げられちゃうよ」
「大丈夫ですのー」
その自信はどこから…

リンッ!
大家さんからバグズ出現の連絡だ!
今日はコソコソ隠れないで連絡を受けれる。

「バグズだよ!メグミちゃん!」
「ミッドノールさん!今度はどこに出たんですか?」
「Oブロックの公園だ!バグズの特徴は、多分氷のようだけど何かそれだけじゃないみたいなんだ」
「どういうことですか?」
「この件に関する投稿がみんな切羽詰まる感じなんだ」
えぇー。

「なんかヤバそうですね」
「うん、まずは行くだけ行って状況を見てきてほしい」
「はい」
「それで自分の手に負えなさそうな時は、もう一度連絡して」
「分かりました!」
ひぇー。

怖いけどまずは変身!
「『魔法陣(サーキット)自動詠唱(ロード)』!!」
大家さんから情報を元に探知機を頼りにOブロックの公園に向かった。

しばらくして公園に近づいた。
バグズは…いた!氷のかたまりみたいなやつに周りキラキラしたものがたくさん浮いている!


時々キラキラしたものがすごい勢いでどこかに向かって飛んでいる。
なんだ?


ゴーグルの人だ!
あの氷のバグズはゴーグルの人を攻撃していたのか!

どうする?私!
なんて言ってられない。
とにかく助けないと!

『障壁(ブロック)』!!
ゴーグルの人の前に魔法の壁を作り、氷のバグズの攻撃を防いだ。

「!…魔法陣使い!!」
ゴーグルの人が自分に気がつきこっちを向いて叫んだ。
「あわ…今は攻撃は無しにして下さいよー」
勢いで助けちゃったけど、次から次に飛んでくる氷のかたまりを防ぐのに精一杯で今ゴーグルの人に襲われたらアウトだ。

「おい、協力する気はあるか?」
「え?」
以外なセリフでちょっと戸惑う。

「あ、はい!あります!」
「よし!じゃあ今だけ貴女を信用する」
そう言うとゴーグルの人は腰のベルトに付けているケースから何かを取り出して私の方に投げてきた。

「これは!」
魔法陣!

『火炎』とメモしてある。
「それを使え!どうせ私には使えん!」
なるほど!

「私を攻撃するなよ」
冗談っぽくゴーグルの人が付け加えた。
いや、それはないっす。

「ありがとうございます!」
『火炎』をリーダーにセットして『氷』
のバグズに狙いを定める。

『魔法陣(サーキット)自動詠唱(ロ
ード)!!』

たくさんの火の玉が『氷』のバグズに向かって飛んでいく。

ジュ!
飛んできた氷に火の玉がぶつかってその場で解けて消えてしまった。

これはいける!
「魔法陣使い!その調子だ!もっと火の玉を作ってバグズを打ち負かせ!」
「はい!!」
私は夢中で『自動詠唱』を繰り返した。

ジュ!ジュ!ジュジュ!!
火の玉と氷がぶつかるたびにものすごい湯気が辺り一面にたちこめる。

だんだんバグズもどこにいるか分からなくなってきてしまった。

「うわぁ、攻撃が防げてるのはいいけど、なんにも見えなくなってきたぞ」
ちょっとヤバいかも…。

ちょっとした瞬間、湯気の向こうでぼんやり見えていたバグズの影を見失ってしまった。

「あれ?バグズは?ゴーグルの人?」


バグズだ!知らない内に私の後ろに回り込まれてしまった!
もうだめ!

そう思った瞬間、バグズが光に包まれたかと思うと消えて無くなってしまった。

何?なに?どうなったの?
「危ないところだったわね」
ゴーグルの人!

「貴女が辺り一面蒸気で視界をゼロにしてくれたおかげでバグズに気付かれずに倒すことが出来たわ」
「え、それってどういう…」
「囮になってくれてありがとう!」
えぇぇ〜!!!

「そそそ」
うまく言葉がでてこない。

「ご褒美にその『火炎』と今回の魔法陣はあなたのものにしてもいいわよ、
くれぐれも悪用しないように!」
そう言うとゴーグルの人は私に魔法陣を手渡してさっさといなくなってしまった。

『氷』と…『疾風』、また風の魔法陣だ。『旋風』よりもちょっとレベルが高いのかも。

リンッ
大家さんからの呼び出し音。
「メグミちゃんかい?今まで通信障害が起こっていて連絡が取れ無かったんだけど何かあったかい?」
「はい、色々あったけどなんとかなりましたー」
説明しにくかったので色々で済ませてしまった。

結局魔法陣はこの間のも合わせて回収出来たので結果オーライだったんだけど、何だかしっくりこない〜!

しばらく人間不信になりそう。

(第10話終)

魔法陣使い#09

第09話「勧誘(後編)」

宇宙に浮かぶ円盤都市コズモス。
ここに住む女の子たちの物語。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「ノノンさん、入部してください!」

「…フン」
一瞬の間を置いた後、ノノンさんは鼻で笑った。

「どうして私が貴女たちの部に入らないといけないの?」

「ノノンさん、魔法に興味があるのですよね!」

「何をばかな」

「だって先ほど私たちに魔法陣についての質問をされていたではないですか」

「あれは魔法なんていう絵空事を真面目にやってる奴がいる事に興味を持っただけだ」

ごもっとも。

「そんな言ってちょっと嬉しそうな顔してましたよー」
ノノンさんの正論にも負けずに押しまくるセイラ。(自分が勧誘された時のことを思い出す)

ちょっと呆れ顔のノノンさん。
金色のロングヘア。グラス(眼鏡)タイプのディスプレイを付けた蒼い瞳。

装飾の少ない機能的で清楚な服装。
いかにも出来る女性って感じだ。

胸元にはワンポイントのレトロチックなデザインの首飾りの宝石が小さく光っていた。

その瞬間
リンッ!
私の端末から着信音。

一瞬全員が固まる。
うわー気まずい…。
ついでにこのまま退室しちゃおうか。

セイラに目で合図。
全然大丈夫じゃないって顔してたけど小さくうなずいてくれた。

「…」
「…」
「…」

「あのぉ私、急用を思い出したのでぇ」
「そうそう先輩は急用ですの!」
「急用?」

「…それじゃセイラ、あとよろしく!」
「はい、ですの!」
「あ!ちょっ…」

すごくわざとらしい出方をしてしまった。
遠くでノノンさんを必死に引き止めるセイラの声が聞こえた。

ゴメン!と思いつつ端末の呼び出しに出た。
「ミッドノールさんバグズですか!」
「あぁ、今回は大図書館らしい!」
「え!じゃあこの辺に?」
「メグミちゃんはまだ学校にいるのかい?」
「このままバグズを探します!」
「分かった!でも気を付けて、
今回のバグズは電気を使うらしい」
「電気?分かりました!」

魔法少女に『変身』したあと、サーキットリーダーをホウキに変え『浮遊』と『旋風』で上昇。
空からバグズを探した。

目立って騒ぎになっている所は見当たらない。
あ、そうだ!探知機!
慌てて探知機を取り出し反応を見た。
探知機の針がちょっとだけ動いた。

針が向いているその先は…
あれ?これって私が来た方向。


セイラたちは?!
「きゃっ!」
短いセイラの悲鳴。
いけない!
スラスター全開でホウキを飛ばす。

いた!
セイラとノノンさん。
近くには…黒い煙玉?
なんかピカピカしてる。
あれ?ピカピカが消えた?
…ちょっとヤな予感。

ビカッ!!
予感的中!
煙玉から光の矢みたいなものが飛んできた。
何!今の?!
最初何が起こった分からず、プチパニックになってしまったけど、どうやら狙ってたわけじゃないらしい。
でも何だかそろそろ危なさそう。

急がなくては!
セイラに近づく。

煙玉もまた光始めている!
いけない!
急いで『障壁(ブロック)』をセット
『自動詠唱(ロード)』!!

二人の前に出した魔法の壁が煙玉の光の矢を防いだ。

「ふぅ、危ないとこだったー」

「早く逃げて!」
セイラが動こうとしないノノンさん
の手を引っ張って離れてくれた。

よし!
『障壁(ブロック)』ともう一枚、
『✖️6(キューブ)』の魔法陣を取り出してセットした。
『自動詠唱(ロード)!!』

6枚のブロックが煙玉を取り囲み、そのまま四角い箱になって閉じ込めた。

効率の良い魔法の使い方か…
確かにこの間よりもラクに戦えたかな。
やっぱり頭も使わないとダメなのかー。

煙玉はしばらく箱の中でゴトゴトやってたみたいだけど魔法の力が切れたのか、ちょっとしたら静かになった。

『障壁✖️6(ブロックキューブ)』を解除。
魔法陣を回収。

魔法陣の走書きには『雷雲』と書いてあった。

「ら…い、うん?電気と関係ある言葉なのかな?」※

※メグミは人工的に作られた環境で生まれ育ってきたので雷のことを知りません

さぁて、変身解除でもしましょうかと思ったその時、
「ちょっと!あなた!」
いきなり呼びかけられてビクっとなる私。
誰?

ビクビクしながら振り向くと怖い顔をして立っているノノンさん!と必死に止めようとしてたんだろうなという感じのセイラがいた。

「なん…でしょうか?」
ツカツカとノノンさんが私のすぐ近くまでやってきた。

じっと私をにらんでる。
近い近い…。

「あなたが何者で何を企んでるかは知らないけど、とりあえずお礼を言っておくわ」

「え?あ、はい…」

ノノンさんはそれだけ言うと回れ右して、さっさと行ってしまった。

セイラもあっけにとられてその場に立ちすくんでいる。

あー緊張した。
バグズの相手をするより疲れたかも。

「セイラ、ありがとね!」
「メグ先輩もご苦労さまですの!」
抱き…ついてこなかった。
あ、変身中だから?
彼女なりのポリシーなのだろうか。

「それじゃ、ひとまず部室に戻ろっか」
「はいですの」

途中、セイラに『雷』について教えてもらっている内に部室に到着。

「さあて、あれ?」
誰かいる!?
「メグ先輩、どうかされました?…!」

「ノノンさん!?」
なんとそこにはノノンさんが、当たり前かのような顔で座っていた。

「遅かったな」
「どうしてここに!?」
「入部する事にした」
「急ですね?」
「さっきそこで魔法生物と魔法陣使いに会ってな」
「はぁ…」
「書架探訪部(ここ)」は、魔法陣の事を調べているのだろ?」
「はい、一応」
「じゃあ、決まりだ」
「えぇ…」
「但し!ここには私が来たい時にだけ来るから」
なんとフリーダムな。

「分かりました!」
ここでセイラが元気に返事をした。
え、いいの?
「それじゃノノンさんは幽霊部員からのスタートですね!」
幽霊部員って。

「え、あ、いや…」
さすがのノノンさんも戸惑ってる。
「少しずつ、お知り合いになって部員を目指して下さいね!」
幽霊部員ってランクアップするものなのか?
「そういうつもりでは…まぁいい」
ノノンさん諦めのポーズ。
「それじゃ入部決定ですね!」
セイラと顔を合わせる。
「よろしくお願いします!!」

これで魔法陣の秘密に一歩近づけた。
まずはノノンさんともっと親しくならないと。
お友達になれるかな。

(第09話終)
プロフィール

POP.OFF

Author:POP.OFF
FC2ブログへようこそ!



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。